2012年6月16日土曜日

―母・子の判断例―

_親の仕事を子が引き継ぐ世襲で考えてみる。
 まだ親が現役で働いているうちに子が同じ仕事をすると、親の
七光りがつきまとい老子易でみれば、母と子が一緒に居る「入入」
で冬の状態。
 このままだと共倒れになる。
 親が子を突き放して他で修行させ、それを子が受け入れて出れ
ば「入出」で秋になる。 
 子に経験という収穫が得られるだろう。
 親が引退して子のやることに口出しせず、知らん顔をして「出
出」になれば夏になり、親の七光りは消え、子は自ら困難を乗り
越えることで評価されるようになる。
 実力をつけた子が帰り、親とは違う新しい道を歩みだすと「出
入」で春になり、新しい時代を切り開くことになる。
 これを実践したのが画家のパブロ・ピカソだ。
 ピカソの父は画家で美術学校の教師をしていたが、ピカソが子
供の時、絵画の才能に気づき、父は画家を辞めてしまう。そして
ピカソは大人顔負けの写実的な絵画を描いたが、このまま大人に
なれば普通の画家にしかならない。そこでピカソは苦悩しながら
新しい画法を探し、今知られているキュ―ビズムにたどりついた。

 マンネリ化した恋愛で考えてみる。
 仮に主導権を握っているのを彼として、彼が母で、彼女が子と
する。
 彼が強引で、彼女が束縛されていると感じているのなら、母は
「入」で子は無理やりの「入」と考えられる。

―入入― 凹凹(||)
 母も子も「入」は、静で冬。
 母と子が同じ力を持ち、争っても勝敗がつかない。
 こう着状態。

 やはりマンネリになっていることがあらわれている。
 近くにいても話をせず、静かな冷戦状態ということだ。

 彼女が悩んでいるとしたら、
 彼女が彼の性格を理解できていないのなら、よく観察してみる
ことだ。必ず弱みが見つかるはずだ。
 もし彼の性格を理解していて、それを我慢できないのであれば、
今は別れの準備をする段階で、強引に別れようとしても無理だろ
う。そうすれば、いずれ別れるチャンスが訪れる。
 別れるのが嫌なら、話をして彼に自分の性格をよく理解しても
らうように努力することだ。

 彼が悩んでいるとしたら、
 自分は提案するだけにとどめ、決定権を彼女に譲ることだ。
 自分の提案が認めて欲しければ、自分の気持ちを素直に話し、
努力することになるだろう。弱みを見せる勇気も必要だ。
 彼女の決定したことに従うと、新たな発見があるかもしれない。

 このように季節からイメージされることを手がかりにして、現
状を知り、問題解決の方法を見つけだすのが老子易の基本だ。
 物事には順序があり、種からいきなり花は咲かない。